2023/01/27
研究活動 プレスリリース

【プレスリリース】妊娠時の間欠的低酸素曝露による成長期仔ラット骨格筋における代謝異常と血管密度の減少を発見 ~胎児期における低酸素環境への曝露が、成長後の骨格筋に影響を及ぼす~

 大发888最新官网客户端,大发888电玩城官方下载(学長:林 由起子/東京都新宿区)病態生理学分野 林 由起子主任教授、和田英治講師、法医学分野 前田秀将准教授の研究チームが、東京医科歯科大学 咬合機能矯正学分野の小野卓史教授、細道純准教授、Wirongrong Wongkitikamjorn大学院生(東京医科歯科大学 ―タイ?チュラロンコーン大学ジョイント?ディグリー?プログラム学生)の研究チームとの共同研究で、妊娠時の間欠的低酸素曝露が仔ラットの成長期に有酸素運動能の低下と骨格筋での糖?脂質代謝異常、血管密度の減少を引き起こすことを明らかにしました。
 この発見は、近年着目されているDevelopmental Origins of Health and Disease (DOHaD)学説に対する新たな知見であり、将来の糖尿病や肥満などの生活習慣病発症に骨格筋が関与する可能性を示したものです。本研究成果は2023年1月12日に国際科学雑誌「Frontiers in Physiology」に掲載されました。


【本研究のポイント】
 本研究では妊娠中の閉塞性睡眠時無呼吸症のモデルとして、妊娠ラットを特殊な装置内で飼育し間欠的低酸素状態に曝露しました。母体の低酸素状態が仔ラットに与える影響を検討するため、仔ラットを出生後成長期(5週齢)まで正常酸素下状態で飼育し、運動機能や骨格筋における変化を確認しました。
?妊娠中、間欠的に低酸素状態に曝露された仔ラットの体重や握力は正常対照ラットと差はなかったものの、強制運動負荷試験において運動能力の低下が明らかとなった。
?骨格筋の中でも横隔膜(呼吸筋)や前脛骨筋(下腿筋)では、妊娠時低酸素曝露によって仔ラットの糖?脂質エネルギー代謝が低下した。
?横隔膜や前脛骨筋では毛細血管密度が低下しており、アディポネクチン受容体の発現低下の関与が示唆された。
?一方、オトガイ舌骨筋や咬筋ではこれらの変化は認められなかったことから、胎児期の低酸素曝露による骨格筋への影響は部位特異性があることが考えられた。


■プレスリリースはこちら>>

■病態生理学分野HPはこちら>>

ページトップ